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っていうか俺へのプレゼントを探すのが先じゃね?つーかなんでもう美咲とクリスマス会う約束してんの?俺との計画立ててからにしろよ、海のアホンダラ。
「バクッ!」
翌日。ペンの走る音しかしない小テスト中に、突として響いたそんな声。クラス皆の視線が俺へと集まった。
「バク!バクバクッ!がぶり!」
おろおろと戸惑い出したのは、女性の新米教師。
「ど、どうしたの青井くん……」
「バク!ムシャムシャ……ごっくん!」
「な、なにを食べているのかなぁ……?」
「バク!」
己の周りの空気を貪っては咀嚼する俺を見て、彼女は今すぐにでも救急車を呼ぼうか迷っていたと思う。
救急隊員に迷惑をかける前に、説明だけはしておこう。
「先生!我は邪を食べていただけです!」
「よ、よこしま……?」
「はい!邪念や邪心は、絶てるうちに絶っておいた方が良かれと思い!」
「は、はあ……」
「なので心配ご無用、無病息災!我は今日も新鮮元気です!バク!」
クラスの皆が笑って小テストどころではなくなった教室で、俺は次から次へと湧き出る醜い思いを必死で食べた。
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