コンビ結成

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「また来たのかよ、カス」  広々とした校庭にででんっと登場した濱口は、首をコキッと一回鳴らす。 「しかもなんだ。肩車なんかしてもらっちゃって、お前はガキか」  海の肩に腰を据えた俺は、濱口よりも高い位置から彼を睨みつけた。 「よく聞け、ハマー」 「変なあだ名つけんなコラ」 「じゃあハマグリ」 「殺すぞ」 「この前俺がてめえに負けたのは、タッパのせいだ。断じて実力のせいではない」 「ああ?」 「だから今日は、てめえをこの目線からぶっ潰す」  ボキボキと指を鳴らし、肩も回せば準備は万端。騎馬戦の騎手のように構えた俺を見て、濱口は呆れ笑った。 「んな不安定なとこから?この俺を?アホじゃねえの?」 「不安定じゃねえよ。俺の足になるのは名村海だ」 「知らねえー」 「じゃあ今日覚えて帰れ」  俺から海へと視線を移した濱口は、けっと嘲笑ってから視線を戻す。海は斜めに唾を吐いていた。 「じゃあ、ふたりまとめてボッコボコにしてやるよ」  濱口の闘志にも火が灯ったところで、試合(ゲーム)は始まった。
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