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「「「なっんだてめえ等、気持ちわりー……」」」
三者三様の声音でそんなハーモニーを奏でられて、腹わたが煮えくり返る。
「ああ?」
自由の身となった俺は尻を上げた。
「気持ちわりいのはどっちだよ。人を拐って、縄で縛って、拷問してよお。てめえ等ほんとに人の子かよ。どっかのエイリアンより下衆じゃねえか」
ロープは放り投げて遠くへやった。これを首にでも巻き付けられたら、海も俺もお釈迦になってしまうと思ったから。
落としたバットを拾って、濱口は言う。
「ははっ。またアホみたいな肩車して海神とかいうやつすんのか?こっちは三人いんだぞ?あんなガキみたいな合体、前から後ろから叩きのめしてやんよ」
海と俺は視線を交わす。うんと彼が頷いたから、濱口へと黒目を戻す。
「海神コンビは合体だけが取り柄じゃねえんだよ。そっちが三人いんならこっちだって個々だ。あったりめーだろアホかっ」
ぺんぺんと尻を叩く。そうすれば濱口は、バットの頭でコンクリートを殴りつけた。
「こじんまりしたがたいのくせして、相変わらず言うことだけは一丁前なんだよなあてめえは……じゃあどうすんだ、相方が持ってるそのナイフで俺等の心臓でも刺してくか?」
その発言で、腹わたが燃え尽き灰と化す。
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