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「次は、どのぼんくらが相手だ?」
至る所の関節をポキポキ鳴らして海は問う。
「グッさんとセットで来てもいいぜ、そこのひよっこ」
その挑発に、ケンジだかヨウタだかの男は怒りを露わにした。
「ざ、ざけんなよてめえ!ヨウタにこんなことして、ただで済むと思うなよ!?」
「ヨウタって誰だよ。眼中ねえ奴の名前を大声で叫ぶな」
「てめえが今やった奴だよ!」
「あー、うるせ。鼓膜破れる」
小指を耳の穴に突っ込んで、海は腹をぽりぽり掻く。その振る舞いは、さらに男を憤慨させた。
「このマジキチがあっ……!ぶっ殺す!」
バットは天高く掲げられた。それは海のてっぺんを狙っていた。姿勢を低くした海は、その棒を見つめていた。
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