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「ぎゃ!海ちゃま!」
俺が悲鳴を上げたのは、海が額の真ん中でそれを受けたから。ゴォンと鐘のような音が響く。
静止するふたり。先に動くは海の腕。
「これがてめえの全力か……?」
頭に乗せられたバットをググッと握り、持って上げると。
「これでこっちが棒の柄だ。敵に大事な武器握らせてんじゃねえよ」
片手で振り上げ振り下ろす。
ゴォンと大きな音がしたのは、次は相手の頭から。膝から崩れ落ちた男はズサッとその場で倒れ込む。海はバットを俺に投げた。
「これも屍行きー」
「は、はい!海ちゃまちゃま!」
ハートマークで視界がぼやけるが、俺は言われた通りにそれを放る。
キュンキュンくねくねしていると、濱口の低い声がした。
「おんめえ等……もう生かしておけねえわ……」
ヒックヒックと痙攣する彼の目元は、もはや人成らざるものだった。
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