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いつの間にか意識を失っていた千景のどろどろでぐちゃぐちゃになった躯は拭われて、柔らかいベッドで抱き締められていた。
千景が目を覚ますと愛しくてたまらないというように先輩の唇が降ってきた。
「もう二度と別れるなんて、言わないね?」
と、抱き合いながら何度も誓わされたことをもう一度聞いた。
千景が頷くと、先輩はいつの間にか寝室に運んできた千景のリュックに手を伸ばして中から新幹線のチケットを取り出した。
「これも、もういらないよね」
そう言うと千景の帰りの新幹線のチケットを先輩ははビリビリに破いた。
「え……先輩……?!」
さすがに驚いて千景が身を起こすと
「千景は一生僕と一緒に暮らすんだよ。もう二度とお家には帰さない。それでいいよね?」
先輩はビリビリに破いたチケットをうんと優しく笑ってベッドサイドのゴミ箱に捨てた。
end
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