三人目のお父さん

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本名……なぞ。 年齢……なぞ。 そんな彼女の正体を知ってる私はいつも楽しげに見つめるだけ。 男って単純だなーて。 やっぱり人間は見た目が大事なんだとしみじみ思いながらそんな光景を堪能する。 何度も見慣れた光景は私を楽しませてくれる。 そして勉強にもなっている。 男性経験がない私にはこういう時はこんな風に返せばいいんだなって、学んでるぐらいだもん。 「うーちゃんの魔性っぷりは嫌味がなくて好き」 御老人が帰ったあと何故か得意気になってそう言った。 むしろ快感だと思う私は変なのだろうか? だって本当に自然なんだもん。 彼女は決して自分を過大評価しないし、自然な美しさを醸し出している。 作られた笑みじゃない。 偽善の優しさを向けないし、何より女性より女性らしい身のこなしをもっているところに憧れる。 「同じ魔性でもうちの母とは大違い」 「ふふ、悠里さんの場合は常に本能で動いてる人だからね。職業的なものもあるんじゃないのかしら?」 「だとしても私はNG。あんな人だけにはなりたくない」
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