三人目のお父さん

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「ヤマト運輸です。ここにフルネームでサインをお願いします」 「分かりました」 ごく当たり前の光景を背後から傍観する私は家に入るに入れず待ち惚けをくらってしまう。 一体これは何なのかという疑問を持ちながら玄関に置かれた段ボールを見つめる。 伝票を書き終えた優斗と一瞬目があったけど、すぐにそらされてしまった。 「ありがとうございました」 「ご苦労様」 宅配業者が帰った後、誰も使ってない空き部屋に置かれた段ボールを開ける優斗の姿を何となく視界に入れる。 目の前には私の背丈の半分ぐらいある段ボールが2つ。 「悪いね。邪魔だった?」 「…いえ……」 そこでやっと優斗が口を開いた。 邪魔は邪魔だけど。無視すればいいのに、これが何なのか気になるのは人間の心理だろうか? 「それ、何ですか?」 「フィットネスバイク」 「は?」 「少し運動しようと思ってね」
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