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(最低だな…)
悠里さんに最初に抱いたのはそんな感情。
干された彼女は天真爛漫で明るく、仕事にも熱心で前向き。俺にもどんどん質問してくる子だった。そんな彼女に酷い仕打ち。
仕事以外はなるべく関わらないようにしたいと思った俺に対し、神様は正反対の状況を与えてくる。
「一緒にディナーを楽しむぐらいいでしょ?」
彼女は自分の武器を知っている。
それは誰もが認める洗礼された容姿と、異性を魅了する巧みな仕草。
ただ俺には全く響くことはなく、昔から何でも疑いから入る俺はこの人の胡散臭さに警戒すら感じてた。
「これも付き合いのうちよ。この業界でやっていきたいなら尚更ね」
「…その行為、セクハラだって気付いてます?」
「ふふ、訴えるならご自由に。それで私が主役から降りるって言って困るのは貴方の方だと思うけど?」
今度は脅しかよ。
心底嫌そうな顔を向けたのに、彼女は楽しそうに笑うだけ。まるで蛇に睨まれた蛙のようだと思ったけど、今後の仕事のことも考えた上、俺は嫌々従うことに。
食事だけ、と決めていざ行けば、指定されは場所はホテル内のフレンチレストラン。
嫌な予感はすぐに当たる。
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