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「実はね最上階の部屋をとってあるの。この後そこで飲み直さない?」
期待を裏切らないな、この人は…
食事が終わり必死で怒りの感情を殺しながら、予想通りの展開に俺はとことん冷めた瞳を向ける。
「行きませんよ」
「折り入って大事な話があるの」
「だったらここでもいいでしょう?魂胆が丸見えですが」
「あら、魂胆って?何かよからぬ期待でもしてるの?」
クスッと嫌らしく笑った悠里さんはどこか満足そうにワインを飲み干す。癇に触るほどの色気は年齢不詳。
きっとこれが世間でいう美魔女と言われる要素だろう。
「ここじゃちょっと言えない話なのよ。何だか少し気分もすぐれなくて…」
「セクハラで本気で訴えますよ?」
「まさか私があなたを襲うとでも思ってるの?」
「こんなやり口を見せられて、その台詞に信憑性はないに等しいと思いませんか?」
「そうね。けど本当に少し酔っちゃったみたいなの。優斗お願い、部屋まで連れてってくれない?」
堂々巡りの会話にこめかみが痛くなる。
どうやったら分かってもらえるのか。
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