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「いい加減な気持ちで仕事をする人が目障りなだけ」
理解しがたい返答にますます眉間に皺が寄る。
「それはどういう…」
「いずれ分かることよ。あなたももっと用心した方がいいわ。それなりに警戒はしてるみたいだけど、私から言わせればまだまだ詰めが甘いから」
優雅に微笑み、急に立ち上がった悠里さんに視線を上げる。
「しょうがないから今日は大人しく引いてあげる。何だか疲れたからこれ以上話をする気分じゃなくなったの。続きはまた今度にしましょう」
それはほんの数秒、歩みよった悠里さんが帰り際耳元に唇を寄せる。
「次は逃がさないから。覚悟しておきなさい」
不覚にもドキリとした自分が嫌になる。
なんなんだ…。と思いながら、基本俺は現場に行くことはないからこの先彼女とも会うことはきっともうないだろうと思っていた。
普段は自宅の部屋にこもって仕事をしている為、人と接触する機会は少ない。油断してた俺は月島悠里という執着の固まりに振り回されることになるのだけど、
「上条さん、ニュースを見てください!」
1週間後、プロデューサーの慌てる電話に驚くことになる。
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