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「また、あの人間達。街の猫達に餌やってるぜ?!」
野良猫のアルは通りかかった公園で、街に彷徨く猫達に餌やりをする人間の有志達を見掛けて立ち竦んだ。
「あーあ・・・こいつら、人間に『飼われ』やがって・・・」
野良猫のアルは、人間が与えたカリカリを頬張る猫達の方耳に各々切りかきがしてあるのを見逃さなかった。
「こいつら、『地域猫』だな。人間に一度捕まって、『タマ』取られた奴らだ。
本当に情けねぇーな。人間の厄介になるなんてよぉ。
どーせ他力本願でしか生きられねぇ奴らだ。
立て看板見たか?ここいら辺、『猫の餌やり禁止』って書いてあるんだぜ?俺くらい人間の文字位読めるぜ?
この人間どもは違反者なんだぜ?そのうち人間どもしょっぴかれたら、餌やり頼みの奴らは飢え死にするだろうな。
『自業自得』!!『自己責任』!!
人間の界隈で大流行してる言葉さ。
餌やり無くなって飢え死にする奴らには、ピッタリな言葉だぜ・・・
まあ、俺は自力で餌にありつけるけどな。おっ!!生ゴミ発見!!
カラス避けの網を潜って・・・野良の俺には効かないぜ。」
カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!
「カラスめ!!来るなっ!!あっち行け!!しっしっ!!」
野良猫のアルは、引き出した爪で宙を掻いて上空から生ゴミに向かって襲ってくるカラスの群れを追い払おうと懸命になった。
カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!カーー!!
「ごるぁーーー!!このクソ猫!!あっち行けーーーー!!」
「やばっ!!人間に見つかった!!
イテッ!!石投げるな!!まあ大失敗!!また飯にありつけねぇーーー!!」
人間の住民に怒られた野良猫のアルは、一目散にその場から逃げまくった。
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