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「そうだ。僕たちはまだひとりでは生きていけない。だから、新しい居場所を見つけるんだ。せいいっぱい鳴いて、アピールして、誰かに拾ってもらうのさ。さいごまで僕たちをかわいがってくれるやさしい人間に」
次の日から僕たちの「新しいお家さがし」が始まりました。
かんかん照りつける真夏の太陽の下で、一日中鳴き続けました。
みんなの注目を集めるため、ときどきかわいいしぐさをしたり、くりくりした丸いおめめで人間を見つめたり。それぞれ思い思いに色々なことをしましたが、誰も僕たちを連れて帰ってはくれませんでした。
「こんな調子で大丈夫かなぁ」
「新しいお家は見つけられなかったけど、クッキーもらったよ!」
今夜はまだ、六匹みんなで寝られます。
お家さがし二日目。
「ねえ、もう昨日みたいにするのはやめようよ」
「あんなにがんばったら、お家が見つかる前にたおれちゃいそう」
二匹の子猫に続いて、僕も言いました。
「僕もそうしたい」
みんなの意見に、二番目の子猫がうなずきます。
「そうね。自然にしていたほうがかえって拾ってもらえるかもしれないわ」
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