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ねこねこコンサルタント
それは、京○市内の烏丸御池にあるビル郡の一角でのことだった。
企画部部長の机の前に立たされている私の視界からは、道路を挟んだビルの、スモークガラスに覆われたその壁面に反射している道路の様子がよく見える。
京○の南北を往来する車の量はかつてのそれとは違い、今は閑散としたものだ。
何故こうなったのか。
もう言うまでもなく、世界的な感染症パンデミックのせいだ。
そうして部長は私を睨み付け、出来上がったばかりの企画書を机に叩きつけて、
「つまりだね、
観光客が激減しているこの由々しき事態をどう思うかね?
と言うことなんだよ。
どう思うかね?
長月くん?」
また癇癪だ。
この感染症パンデミックは、誰のせいでもないだろうに。
しかし、
「このままだと、困るんだよ!」
こう言って、部長がイライラしているのも受け止めなくてはいけない。
まぁこれも仕事と思えば割りきれるのだけど。
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