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 祖父母の故郷に単身移住した私は曾祖母(ひいおばあさん)が残した小さな平屋に身を寄せることにした。たった一人での新生活。都会での生活に空虚さや交友関係に息苦しさを感じたからではない。女子大を卒業してアルバイト生活三年目にして、ふと違った時間の流れに身を置いてみたいと思い立ったからだ。  それが私に、あの不可思議な体験をさせたかどうかはわからない。ただ、久しぶりに電話で話せた祖母は物忘れが改善したかのように涙を流していた。だが、両親も驚くこの変化は私には納得できた。
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