12人のヴァンパイア彼氏 1

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「私は愛方 穂波、高校1年生。お父さんと二人家族です。今はお父さんが仕事に行っているので一人。」そう言っているととチャイムが鳴った。私は、 「はーい。どちら様ですか?」と聞くと 「お父さんだ。」と言ってきた。私は玄関先のドアを開けて、 「今日は早く終わったんだね。」と言う。お父さんは 「そうなんだ。今日は大事な話があるから早く切り上げてきたんだ。」と言いながら靴を脱ぐ。私は 「何?大事な話って?」すると、 「まぁ、座れ。話はそれからだ。」と言い私を座らせた。お父さんは 「なんと、穂波に彼氏が出来ました!」と言い拍手した。私は 「お父さん‼︎勝手に彼氏を見つけないでって言ってるでしょ‼︎」と怒ると 「まぁまぁ。落ち着いて。これから、その彼氏のところに行って挨拶に行くから荷物をまとめておけよ。こことはお別れだからな」そう言ってお父さんは部屋に入って行った。私は 「はぁー。お父さんはどうしてこうなのでしょうか。まぁしょうがないでしょうけど、昔にお母さんをなくしてからこうですもの。」と言ってしぶしぶと荷物の整理をしているものといらないものに分けた。すると、お父さんが 「それは、いらないから持っていくのはやめなさい。」と言って高校生の鞄と教科書を指差した。私は 「えっ!いらないの?じゃあ、学校は?」と聞いた。すると、 「別の学校に行くから必要ない。」と言って出て行った。私は 「別の学校⁉︎じゃあ、友達はどうするのよ!」と言ったが聞いてはくれなかった。そして、片付けも終わり、電車で彼氏となる人の家に行った。そこは、とっっってもデカイ屋敷だった。私たちはインターホンを鳴らして出てくるのを待った。すると、 「はーい。どちら様〜?」と元気のいい男の子が声を発した。お父さんは 「愛方です。穂波を連れてきました。」と言った。そしたら、 「じゃあ、どうぞ〜〜。」と言っているときに【ギィーーーー】とドアが開いた。すると、私と同じくらいの年齢の男の子がたくさんいた。1、2、3、4、5…えっと、12人の男の子がいる。誰が私の彼氏なのかな?そう思っていると、みんながいっせいに私の方にきて、声を揃えてこう言った。 私はえっ!と言ってあたふたしていると、みんなが自己紹介をしてきた。一番背が小さい子が 「ぼっ僕の名前は蓮です…。あっ、苗字言ってなかった…。えっと、柚櫂 (ゆかい れん)です…すみません。」と言って顔を隠した。その後、優しいお兄さん系の子が 「大丈夫だよ。あっ、僕の名前は(けい)苗字は柚櫂。よろしく。」と言って握手をしてきた。その後、萌え袖をしている子が 「僕の名前は(ゆう)。苗字は全員一緒だから言わなくていいかな?」と言った。次の子は運動系の子で 「俺は幽鬼(ゆうき)。よろしくな!」と言ってニカッと笑った。次の子は秀才タイプの子で 「こんにちは、僕たちの彼女さん。私は紅汰(こうた)と申します。この度は来ていただきありがとうございます。」と言って頭を下げた。そして次の子は、ヤンキー的な人で 「お前は自己紹介が硬いんだよ。あ、俺様は光輝(こうき)だ。よろしくな!」そう言って戻っていった。そして次の子は、影が薄いような感じの子で 「こんにちは……。僕は琴消(ことき)……。よろしく…………。」と言って家の中に入っていった。その次の子は、フードを被った子で 「こんにちわ。こんな恰好ですみません。僕の名前は夜鬼(やき)、よろしくおねがいします。」そう言って恥ずかしそうに戻っていった。そして、次の子は、ぬいぐるみを持っている子だった。だけど、喋らない。すると、圭?さんが 「ごめんね、この子喋れないんだ。だから、僕が代わりに自己紹介をするね。この子は美鬼(びき)。美鬼、おじぎしよう。」と言っていると美鬼さんがペコリとおじぎをした。次の子は元気の良さそうな子で 「俺は裕画(ゆうが)だ‼︎よろしく‼︎」と言って手を握った。『あっ、この子はインターホン押したのときに出てきた子だ。』と思っていると、次の子が来た。その子は女の子みたいな美形な子だった。その子が 「こんにちは、僕は奥翔(おくと)。かわいいってよく言われるけど一応、男の子です。」そう言ってニコッと笑った。最後の子はモデルさんにでも出てるんじゃないかっていうぐらい綺麗な子だった。その子は 「こんにちは、僕のお嫁さん。僕は瑠偉(るい)、よろしくね。」と言って手にキスをしてきた。すると、みんながいっせいに 「おい‼︎」「抜け駆けずるい!」「そっそうですよ。」「まだ、お嫁さんに決定したわけじゃないですからね!」などを口ぐちに言い出した。私はそれを見ていると、一つ気になった事を聞いた。 「ねぇ!貴方達は何者なの?牙があるけど……。」と聞くと琴鬼くんが 「僕たちはヴァンパイア…………。だから、血を飲まないといけない…………。じゃないと死んじゃう…………。」そう言った後みんな黙ってしまった。私は 「誰の血を飲んでたの、最近は?」と聞く。すると、瑠偉さんが 「そうだねー、いろんな人から。献血は便利なんだけどね、ヴァンパイアはそれでは物足りないのさ。だから、飲ませてくれる人を探して、首元からもらっているのさ。」と言った。私は 「そういえば、私の彼氏さん方、私はここに住めばいいの?」と聞くとみんなはびっくりした様子でこう言った。 「本当に僕たちの彼女さんになって、ここに住んでくれるの?」私は 「だって、みんな大変そうだし。あと、隠しているのかもしれないけどばれてるよ、親がいないこと…。だから、血もあげるけどご飯も準備するからね!」と言って笑った。この日から私はこの12人のヴァンパイア彼氏と一緒に過ごすことになった。降り積もる家事や料理の練習などが私の頭を悩ませる。でも、頑張ろう!みんなのために……。
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