外を視る

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 雪がぐらりと揺れたかと思うと、雪が油断していたそいつに覆い被さる。緩やかな山だというのに、雪は凶器になり代わる。理屈は私にはよくわからない。ただ、私を襲ったそれが今は敵討ちを果たしてくれようとしていることだけはわかる。  私を埋めた雪は、皮肉にも死んだ日から私にとって相性のよいものだった。  そのせいか、どうやら寒さは憎めないようだ。  最後、私は更に薄くなる体に満足しながらこう囁いた。  「ねえ、先生」 「…………ぇ」 「サヨウナラ」  と。  少しだけ、寂しいけれど。
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