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誕生日
「弘人~今日誕生日だったわね~帰ってくるの
待ってたのよ~。幸男君も湊君もよく来てくれたわね」
「おばさん。こんなにいつも弘人の為に沢山の料理作ってるんですか?しかもお父さんまで会社から
早く帰って来るなんてそこまでしてくれる
ご両親に恵まれて弘人も幸せな家族に生まれたもんだな~うらやしましい。」
「まあ~お世辞が上手になったわね~幸男君」
「みんなみてみて可愛いでしょう~弘人が初めて
歩いた時の写真よ。
こっちもみてみて~こっちは初めて走った日。
こっちは旅行に初めてつれて行った日
帰りたーい泊まりたくなーいって泣いてホテルで
私達を困らせたものよ」
「さあケーキも唐揚げもサラダもドレッシングも
おにぎりもサンドウィッチもスープも全ておばさんの手作りよ~みんな弘人といつも仲良くしてくれてありがとうね。これからも弘人を宜しくね」
弘人の両親の佐伯和男と佐伯愛は
「ここまで大きくなって~」そう言って涙ぐんでいた。
「さあ~弘人ジュースで乾杯して」
「母さんもう、いい加減にしてくれないか❗毎年毎年~僕はもう高校生だよ。誕生日くらい
どこかのファミレスで友達と楽しく過ごしたい❗なんだよアルバムや写メとかみんなに見せて恥ずかしい。
もう止めてくれって毎年言ってるのになんで
こんなに沢山の料理を作るんだよ。
食べ物が勿体無いから友人を毎年連れて来てるだけだからな‼️来年は止めてくれ❗来年は友人と
ファミレスやしゃぶしゃぶ食べ放題で高校生らしく祝いたいんだ」
「弘人~せっかくのご両親の好意だし、
こんなにいいご両親を泣かせたら駄目だよ。
うちの両親なんて俺の誕生日にも仕事仕事で
誕生会なんて一度もしてもらった事ないよ」
「俺の両親も俺の誕生日にはおめでとうしか言ってくれないよ?こんなに愛されてお前はいいところに生まれたんだよ」
友人の幸男と湊は言った。
「愛されてる❓️俺が❓️」
「そうだろう?そうじゃなきゃこんなに朝から料理なんてつくらないよ。お父さんまで仕事早めに
切り上げて祝ってくれてるじゃないか❗」
弘人は思った。
「友人達は本当の両親の事を……何も知らない」
弘人の母佐伯愛は言った
「弘人~あなたが赤ちゃんの時にあなたは、
肺炎になってね~私もお父さんも心配したのよ~
死んでしまうんじゃないかって、それにねあなたは風邪をよくひいたのよだから心配で私達はよく
看病をしていた。初めてのお父さんとお母さんの
大切な赤ちゃんだからね。何かあったら大変だから大切に育てようと思ってたの。。。
だから高校生まで生きていて嬉しいのよ。
だから祝いたいただそれだけなの……」
友人達は
「いい話ですね~感動します。弘人さあ食べよう
せっかくのご馳走が台無しだ」
弘人は言った。
「皆で食べて俺はいらない❗」
「おい、待てよ弘人せっかくお母さんが作ってくれたんだよ。失礼じゃないか❗高校にもなって」
「幸男 湊皆で食べればいいだろう❗両親はお前達の思っている両親じゃないから。
何も知らないくせに❗母さん 父さん僕は知ってるんだ❗全て」
「何を知ってるの?」
「弘人~どこ行くんだ?こんな夜に」
「ファミレスに行ってくる。幸男も湊もうちの両親に騙されてるんだ❗」
「おい、待てよ❗弘人~」
弘人は寒い夜なのに外に出て行った。
幸男と湊は弘人の両親を慰めながら弘人の代わりに
沢山の料理を食べていた。
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