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どれほど目を瞑ったまま泣いていただろう。観覧車がガコンと揺れもうすぐ終点だということを察した。がユリアは目を開けられずにいた。やがて、終点でドアが開くと、『すいません』と言おうとしたところで別の声に遮られた。
『あと1周お願いします』
それは、光の声だった。驚いて目を開けた。そこには、少し赤い顔の光が笑っていた。また涙が溢れた。今度のは嬉し涙。しばらく、光を見つめていた。光もユリアを見つめていた。光が口を開いた。
『あはは、ダメだったね。ごめん。キスしてみても成仏できなくて、でも君を見たらなんか目を瞑ったまま泣き始めちゃうし。どのタイミングで声をかければいいか分からなくて。僕とのキスやだった?』
しどろもどろして、顔を真っ赤にしながら言う光。そんな光に対してユリアは"バカみたいw。まだ光と一緒にいられる。やっとわかった"
『好き!光が、光のことが好き。』
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