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『ジャスティン学園に通う生徒たちの恋愛対象って、やっぱり…』
『男に決まってるじゃない』
即答するアカリに流は引き立った笑顔を浮かべた。
『ですよねー。抱かれたいランキングとか抱きたいランキングとかパワーワード過ぎたんで』
『早く慣れなさい』
『そんな無茶な』
『仲良くなったみたいで俺は嬉しいよ』
大袈裟にうんうんと言う兄貴が恨めしい。
『話を戻すわよ。王道学園の生徒会は抱かれたいランキング、抱きたいランキング上位の人が選ばれた人しかいないのよ』
『ランキング上位の人が何らかの委員会に選ばれるってことか』
『その認識で問題ないわ』
そんな会話を思い出した。
「では、ご紹介します。まず、会計は抱かれたいランキング3位です」
「「「きゃぁぁぁぁ」」」
いや、この歓声には慣れねぇわ。
「はぁ〜い。会計に選ばれましたぁ、一年の金井類(かねいるい)でぇす」
一言で言うなら、チャラ男である。それはちゃんと王道なんだな。
金髪にピアス、伸ばした語尾。まさに王道学園のチャラ男だ。
…うん。
「生理的に苦手なタイプだ」
「そんなストレートに言うなよ」
流はこの人には関わらんとこ、と決意した。
「次は書記です。抱きたいランキング4位、抱かれたいランキング5位です」
「「「きゃぁぁぁぁ!!!」」」
いちいち叫ばないと気が済まないのか、チワワたちよ。
「し…ら…か…わ……っです」
「ん?何て言った???」
「さぁ?」
「書記の白河誠(しらかわまこと)さんです。一年生です。喋るのが苦手だそうです」
琥珀が代わりに通訳した。
「喋るのが苦手なのか…。これも王道展開か」
「お、王道?なんだそれ?」
「いや、こっちの話」
会長だけが王道じゃないみたいだな。あの人とは仲良くなれそうな気がする。(ま、目立ちたくないから関わらないけども)
「最後は庶務です。抱かれたいランキング6位です」
「「「きゃぁぁぁぁ!!!」」」
もう、鼓膜が破れそうだよ。
「…庶務に選ばれた一年の永守雪(ナガモリユキ)っす…」
だるそうな声を出す雪。見た目がもう不良だった。目立つ赤色の髪に制服なんかネクタイを締めていない。
見た目が生徒会っぽくなくても、ランキング上位だったらそれさえも許されるのか。
改めて王道学園というのは、頭がおかしいらしい。普通の学校だったら立候補すらできねぇわ。
「これがこの学園の普通なんだよな」と栄一が、ぐったりしている流に言う。
「ちなみに俺は抱かれたいランキング8位だった」
ピースサインを見せてくる栄一。お前のその容姿ならそりゃ上位に選ばれるわ。でもな、普通の感覚だとそんなランキング嬉しくも名誉でもないんだわ。
「お前はそれでいいのか」
「ん?何が?」
「そのランキング、嬉しいか?」
「俺はノンケだけど、男から見てもかっこいいっていうランキングみたいなもんだろ?普通に嬉しくね?」
「そういうことね。ってかお前、ノンケなのかよ」
「中等部からいるけど、俺はノンケだよ」
「オレにも欲しいわ、お前のその強靭なメンタル…」
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