118人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「さて、話を戻しますね。この新入生歓迎会には特別なルールがございます」
特別なルール?
「警察は一番最初に捕まえた人とのペア権が与えられます。泥棒は仲間に助けられる限り、何度でも逃げられますが一番最初に捕まった人とペアになります」
…ふーん。
「ペアになった場合は、警察が景品を選ぶことができます」
景品?
本とかかな。
「景品は色々あります。1年間学食無料券やテスト免除権などなどあります。
ただ、相手が役職持ちの場合、景品ではなく、デート権が与えられます。例えば、警察が私たち生徒会を捕まえた場合、私たち生徒会はその人とデートすることになります。
一度も捕まることなく、逃げ切った方には豪華な景品がございます。
皆さんの腕時計にはセンサーがついており、捕まった時にランプが点滅します。警察の人の腕時計は青色、泥棒の人の腕時計は赤色に点滅します。ですので、不正はできないようにしてあります」
そのルールを聞いた途端、チワワたちの声が響いた。それはもう最高級の声だった。
「基本的に役職持ちは泥棒です。では、参加する役職持ちですが、
生徒会全員
体育委員会の委員長
放送委員会の委員長
図書委員会の委員長
学級委員会の委員長
です。
保健委員会は怪我の手当てなどのため、不参加となります。そして、風紀委員会ですが、毎年制裁や強姦などが起こるためパトロールを行います。ですので、風紀委員会も不参加です」
アカリから『制裁』とか『強姦』の話は聞いていたが、本当にあるんだな。
「風紀委員長から伝言を預かっております。
問題を起こしたら、わかってるよな?
とのことです」
シーーーーーン。
あんなにうるさかったチワワたちや他の人たちが黙った。その反応からして、この学園の秩序を守る風紀委員長はかなり怖い人らしい。
「次の説明に移ります。
今から、警察と泥棒に分けますが前もって紙をわ渡されたと思います。その紙には数字が書かれています。
今からスライドにランダムな数字が表示されます。表示された数字の人が泥棒となります」
そういや、朝渡されたわ。紙。
「では、数字を発表します」
天国か地獄か。
生か死か。
「…オレたち泥棒だな」
「そうだな」
渡された紙を握りしめた。神様はオレたちに味方しなかった。
「まぁ、いい。オレには秘策がある」
「秘策?」
「ってことでお前は頑張れ」
栄一の肩を叩いてやる。
「今にもお前を食べそうな勢いでチワワたちが見てるぞ」
「…やべ」
最初のコメントを投稿しよう!