1.事実は小説より奇なり

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風紀委員長side  「通報があったから来てみたら…」  ガチムチ3人が拘束されていて、何もできない状態だった。どうやら、誰かが強姦を防いだらしい。直接通報した被害者は保健室にいるという。後で、事情聴取するからいいとして…。  「俺、言ったよなぁ?強姦するなって」  「「「んーんーんー!」」」  ガチムチ3人は口にガムテープを貼られており、何も言えない。  「誰がやったんだ」  その時、インカムが入った。別の委員からの報告だった。  「ーこちら風紀委員です。委員長に報告です」  「なんだ?」  「ー中庭で制裁が起きた模様。ですが、被害者は無傷で加害者たちはロープで拘束されていました」  「なんだと?」  ガチムチ3人を拘束した者と同一人物か?  俺はガチムチ3人のうちの1人のガムテープを剥がし、「お前らを止めたのは誰だ?」と低い声で聞いた。  「わかんねぇんだよ…」  「は?そんなわけないだろ」  「狐の仮面つけてたんだよ!そいつは!!」  ーー狐の仮面?  あぁ、なるほど。あいつが見事に制裁と強姦を未遂に止めてみせたのか。  くっくっくっ。  笑いが止まらない。面白い人材を見つけたからだ。  「そうか。もういい」  再びガムテープを口に貼り、3人を連行する。  鏑木流…か。  先程の運動神経や風紀委員長である俺に臆することなく行動することから相当肝が座っているとみた。  風紀委員会は人手が足りない。そんな時、お前が現れた。これはきっと運命に違いない。  「俺はお前が気に入った。何が何でも風紀委員会に入ってもらうぞ」
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