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「俺の愛する女神が、“総受け”を見たいんだと」
「………はっ?」
総受け?なんだそれ。
まぁまぁ、聞けよ。と大智は流の隣に腰掛けた。
たまたま次の旅先はどこにしようか、と本屋に寄っていた時だった。
隣にそれはそれもう、美しい女神が立っていたんだ。気絶するくらい綺麗な人だったんだよ。
一目惚れした俺は頑張ってアタックしたさ。何度も振られたんだけどな。
でも、めげないのが俺の取り柄だからさっ☆
「うぜぇ」
「口が悪い!」
頑張ってアタックし続けて半年…。ようやく、彼女が折れてくれたんだ。ただ、条件付きで。
『どうしてもって言うなら、付き合ってあげる。ただ、あなたが私の願いを叶えてくれるならね』
小悪魔的に微笑む彼女。
それはもうかわいかったね。
「それがなんでさっきのそ、そううけ?になるんだよ」
「それがな…」
大智は神妙な顔つきになり、流の両肩を掴んだ。
「彼女はさ……
腐女子だったんだよ」
腐女子?
あー。あれか。
「男性同士の絡みを見るのが好きな女性のことか」
別にそれに偏見はない。
「そう。俺も別にそれは問題ないんだよ。そして、彼女は俺に爆弾発言したんだ」
「爆弾発言?」
「俺は彼女に心許してもらうために、いろんな話をしたんだ。特にお前のこと」
「なんでオレの話?」
「え?それは自慢の弟だからさ」
ウィンクしてくる兄貴がとても腹立つ。
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