1.事実は小説より奇なり

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 「俺の愛する女神が、“総受け”を見たいんだと」  「………はっ?」  総受け?なんだそれ。  まぁまぁ、聞けよ。と大智は流の隣に腰掛けた。  たまたま次の旅先はどこにしようか、と本屋に寄っていた時だった。  隣にそれはそれもう、美しい女神が立っていたんだ。気絶するくらい綺麗な人だったんだよ。  一目惚れした俺は頑張ってアタックしたさ。何度も振られたんだけどな。  でも、めげないのが俺の取り柄だからさっ☆  「うぜぇ」  「口が悪い!」  頑張ってアタックし続けて半年…。ようやく、彼女が折れてくれたんだ。ただ、条件付きで。  『どうしてもって言うなら、付き合ってあげる。ただ、あなたが私の願いを叶えてくれるならね』  小悪魔的に微笑む彼女。  それはもうかわいかったね。  「それがなんでさっきのそ、そううけ?になるんだよ」  「それがな…」  大智は神妙な顔つきになり、流の両肩を掴んだ。  「彼女はさ……                  腐女子だったんだよ」  腐女子?  あー。あれか。  「男性同士の絡みを見るのが好きな女性のことか」  別にそれに偏見はない。  「そう。俺も別にそれは問題ないんだよ。そして、彼女は俺に爆弾発言したんだ」  「爆弾発言?」  「俺は彼女に心許してもらうために、いろんな話をしたんだ。特にお前のこと」  「なんでオレの話?」  「え?それは自慢の弟だからさ」  ウィンクしてくる兄貴がとても腹立つ。
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