はい-はい-はい

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はい-はい-はい

東京に住み始めた時、荷物はボストンバックひとつであった。 アパートも下宿も決まってない。 コインロッカーにボストンバックを預けるため100円玉を入れようとしたが、入らない。そばの民家のおばあちゃんに方法を聞くが、都会の雑踏でよく聞き取れない。 「連れて行くよ」 「ねえ 連れてって」 君は、カバンの中 耳を傾ける 「ねえ 私に聞かせて」 君はカセットテープをダビングして持たせてくれたね 別れの歌じゃないのよ 幸せな旅立を 「はい はい はい…こうして入れるのよ」 おばあちゃんは優しく教えてくれた 都会でもやさしさと情は厚い ロッカーから何か聞こえる バスのクラクションと郷愁のような甲高いストリングスが重なる
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