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「はぁ…はぁ…ここまで来れば大丈夫かな…」
もう黒猫の姿は見えない。しかしぼくが異常だって?そんなこと初めて知った。お母さんはぼくを普通に育ててくれたじゃないか。そんなことを考えていると遠くにメスのキジシロが見えた。そういえばお母さんは家族を持てってぼくに言っていた。それが普通だって。あの子と結婚できればぼくは異常じゃなくなるかもしれない。さっきの黒猫の真似をして、あの子を誘ってみよう。
「ねぇ君。今時間あるかな?」
「あら、デートのお誘い?」
「う、うん。そんなところかな。」
「ありがとう。でもごめんなさいね。オスの三毛猫と結婚するメスは滅多にいないわ。」
「え?どうして?」
「オスの三毛猫はね、子どもを作れないの。つまり結婚しても自分の子どもを持てない。だから子どもが欲しいメスは三毛猫とは結婚しないのよ。」
「そうなんだ…」
「ごめんなさいね。多くの猫はオスの三毛猫への当たりが強いわ。ひとり立ちしたばかりかしら?これから先大変だと思うけど、頑張ってね。」
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