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『な、なんで。さっきは死にたいって言ってたじゃないか。』
田淵くんの声を女は聞いていないのか、「死にたくない、ごめんなさい、助けて」と何度も繰り返した。
田淵くん、頭の中がグルグル。
とにかく自分がしたことで女が苦しんでいる、早く楽にしてあげないと。
そう考えた田淵くんは女の首にナイフを突き刺し、少しづつ首を切り離していった。
女は初めこそ抵抗し、泣き叫びながら暴れ回ったものの、首の繋ぎ目が半分になった頃にはもう意識を失っていた。
「なるほど…」
長嶋くんは自分の顎を擦りながら考えた。
この辺りはほとんどが空き家、住んでて高齢の老夫婦。
そのおかげか、幸い目撃者はいない。
「ところで田淵くんは…なんでナイフを持っているんだい?」
「ああこれは…お父さん''っぽい人''がくれた。」
なるほど!と笑う長嶋くん。
深淵は覗かない、彼は大人だった。
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