②女子高生

4/8
前へ
/23ページ
次へ
『な、なんで。さっきは死にたいって言ってたじゃないか。』 田淵くんの声を女は聞いていないのか、「死にたくない、ごめんなさい、助けて」と何度も繰り返した。 田淵くん、頭の中がグルグル。 とにかく自分がしたことで女が苦しんでいる、早く楽にしてあげないと。 そう考えた田淵くんは女の首にナイフを突き刺し、少しづつ首を切り離していった。 女は初めこそ抵抗し、泣き叫びながら暴れ回ったものの、首の繋ぎ目が半分になった頃にはもう意識を失っていた。 「なるほど…」 長嶋くんは自分の顎を擦りながら考えた。 この辺りはほとんどが空き家、住んでて高齢の老夫婦。 そのおかげか、幸い目撃者はいない。 「ところで田淵くんは…なんでナイフを持っているんだい?」 「ああこれは…お父さん''っぽい人''がくれた。」 なるほど!と笑う長嶋くん。 深淵は覗かない、彼は大人だった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加