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…グチャ
……グチ、グチャ…
「ん?」
帰路、長嶋くんは妙な音に気づく。
ハンバーグをこねる音?
いや、魚を捌く音だろうか。
好奇心に煽られ、音のなる路地裏へフラフラと誘われる。
「えい!んん!」
そこに居たのは小学4年生、同じクラスの田淵くん。
声を出しながら何かを必死に引っ張っていた。
彼の手元から赤い物体が見え隠れする。
「田淵くんじゃないか。何してるんだい?」
「あ!やぁ長嶋くん!今ね」
長嶋くんに気づいた田淵くんは、手に持っていた汁の滴る赤い塊を得意げに見せつけた。
「じゃじゃーん!猫!ちぎってたの!」
彼が持っていたのは猫…
にはとても見えない大きな肉の塊。
ポトポトと血が滴り落ち、裏側には毛のようなものが少し付いている。
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