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「…ちぎってた?どうして?」
田淵くんはキョトンとした後、すぐクスクスと笑い始めた。
「どうしてって…別に、遊ぶのに、意味なんてないに決まってるでしょ。」
あぁおかしい、と田淵くんは大きな口を開けて笑った。
「田淵くん、動物は殺しちゃだめなんだよ。」
長嶋くんがそう語りかけると、田淵くんはまたキョトンとした表情を浮かべる。
「そんなこと…教えてもらってないよ。」
「この間先生は言っていたよ、動物には優しくしましょう、って。」
長嶋くんはそう諭しながら、散らばった猫の死骸をかき集め、黙々と道の片隅に積み上げていく。
「やだなぁ長嶋くん、だから僕は、優しく優しくゆーっくりちぎったんだよ。一思いにちぎることだってできたのに!」
田淵くんのおでこから一筋の汗がつーっと流れる。
どうやら彼は焦っているようだ。
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