3人が本棚に入れています
本棚に追加
…グチャ
…グチャ、グチャ
長嶋くん、聞き馴染みのある音にゾッとする。
まさか、田淵くん、懲りずにまた猫を殺しているのか。
慌てて前と同じ路地裏へ駆け込んでいく。
「長嶋くん…助けて…」
こちらに気づいた田淵くん。
なにやら彼の様子はおかしい。
後一歩のところで泣いてしまいそう、そんな目でこちらに強く訴えかけてくる。
ここで長嶋くん、彼の足元の''それ''に気づいてしまう。
「…女?」
田淵くんの足元に転がっているのは、恐らく女子高生。制服の白いシャツには真っ赤な血が染み込んでいる。
「田淵くん…これは…」
女は首から上がなかった。
よく見ると田淵くん、右手に小さなナイフ、左手に女の首を持っている。
女の首は一刀両断…ではなく、時間をかけ少しずつ切り裂いていったのであろう、切断面は見るに堪えないほどズタズタになっていた。
刃を刺し動かしている間、女は苦しみながら地面を這い回ったのだろうか。爪は全て剥がれており、アスファルトにはいくつもの苦しんだ形跡が見える。
最初のコメントを投稿しよう!