7人が本棚に入れています
本棚に追加
昼間の顔はフツーのサラリーマン。社畜ではなく定時であがる。
それが、俺。
そして夜は女性と会って金を巻き上げる。
結婚詐欺師の、俺。
結構ひどいやつでさ。
女性とは寝ない、俺。……ではあるけれど、金はがっぽりもらっちゃう。
だから俺自身の中での、バランス? っていうのかな。
小さな善は、迷わず積むことにしてるんだ。手袋の時もそうだった。
目を閉じて、神さま様の碧眼と、チョコだらけの口もとを思い出す。
紅のぷっくりとした唇、すんなり伸びた手足、陶器のように白い肌。
そして常時タち上がったままの……。
…………いいことしてたら、また来るかもしんないのか、アレ。
カネの種を食いたいだけ、みたいだけれど。
…………ちょっとだけ、善人方向で、頑張っちゃおうかな?
天罰くらうより、褒めてもらえりゃ嬉しいよな。あんな仕様の神さまになら。
深夜に一人、ベッドに転がりなぜかニヤニヤが止まらない。
そんな俺はどうやら、神さま様にちょっぴり導かれちゃった、愚かなる迷い子らしかった。
最初のコメントを投稿しよう!