7人が本棚に入れています
本棚に追加
「不埒なことを致すな。ワレは神さまなのだ。尻など撫でずに、とにかく敬え」
「……今、の、バリバリ、したのが、天罰、ですか?」
「天罰を甘く見るな。かようにぬるいものではない。天罰は天に戻らねば下せられん。今のはこの身体でおこなえるだけの、不埒者へのただの罰だ」
「……じゃあ、僕のほんとの天罰の件はどのような結論になったので」
「あの手袋を、大変に良い態度を持って拾ったからな。今日のところは見逃してやろう。だがしかし、このままで去る訳にはゆかぬ」
「……何でしょう」
「愚かなる迷い子よ、ワレを敬え」
「…………」
あ、あれか、礼をする、ってやつか。相変わらずの上から目線だな。
まあ土下座じゃなくて、フツーに和室で挨拶するって思えばいいんだろ? しつこいなあ、やってやるよ。可愛いし。
しぶしぶベッドから降り、おっしゃったとおりに膝をつこうとしたら、神さま様は心なしか早口になって言った。
「礼はよい。これだけ話したのだ。今更礼など、飛ばしても良い」
ええー、そういうもん? しぶしぶやろうとしたわけだけど、要らないって言われるとおかしい気がするんだけれど。
「……な~るほど。目的は供物ですね。……とりあえず、お花? って、男の一人暮らしで夜中じゃどうしよーもないですよ」
最初のコメントを投稿しよう!