7人が本棚に入れています
本棚に追加
「愚かなる迷い子よ。お前はワレのこの身体に触れることができたろう。お前向けの身体であるがゆえに他の者には見えもせぬが、それでも半実体は保っておるのだ」
「? はあ、そうですか」
「鈍いヤツだな。実体を保つにはエネルギーがいるのだ。アレだ」
「アレ?」
「供物つまりソナエモノつまりカロリーだ、カロリー」
あ、なるほど、食い物のほうか。ってか食える仕様と思わなかった。
しかしなんか、だんだん……
「タカリみたいになってきたなあ」
あ、やべ、声が出ちゃった。
! バリバリバリバリバリ !
ぎゃああああぁぁーーー!
俺は痺れつつも痛む哀れな身体をさすりながら、部屋の中で食べ物を漁った。
自炊は殆どしないんだよな。だからこんな深夜にまともなおかずはない。
「ご飯の残りはあるけれど。それか、このミカンとか?」
最初のコメントを投稿しよう!