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「ふむ。試してやろう」
神さま様は偉そうにそう言って、白いご飯を三粒ほど口に含んだ。
ねっちゃんねっちゃんと、口の中で餅をつくみたいにして食べ終える。
「うーむ。終わってもなお口中に粘り気が残るな。折角の供物であるがあまり愉快ではない」
「じゃあ、ミカンなら口の中もさっぱりするかもしれませんよ」
そうか、と言って今度はミカンの房にそのままかぶりつく。
じぅ、と音をたてて吸い果肉を少し喰いちぎって口を離すと、口の脇から液が漏れ、ほのかに色づいた汁が滴った。顎に流れてたらたらと落ち、白い衣がぽたた、とオレンジ色に染まる。
う、うわぁぁぁぁー。
なんか俺、めっちゃヤバいもの見ちゃった感じ。
ソソるぜ…………。
「うーむ、イマイチだな。実は私には味覚がないのだ。匂いもうっすらとしかわからぬ」
「え、早く言ってくださいよ」
「かようにじゅくじゅくぷちゅりとした物は、あまり好もしくない」
なるほど。口当たり、とか、歯ごたえとかで好みがあるってことか。
ねちゃねちゃじゅくじゅくしてないものっていうと……
俺は板チョコとカネの種を小皿に出した。
板チョコは割って置いたが、思うところあって少し大き目にしておいた。
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