神さま様

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 昼間の顔はフツーのサラリーマン。社畜ではなく定時であがる。  それが、俺。  そして夜は女性と会って金を巻き上げる。  結婚詐欺師の、俺。  結構ひどいやつでさ。  女性とは寝ない、俺。……ではあるけれど、金はがっぽりもらっちゃう。  だから俺自身の中での、バランス? っていうのかな。  小さな善は、迷わず積むことにしてるんだ。手袋の時もそうだった。    目を閉じて、神さま様の碧眼と、チョコだらけの口もとを思い出す。  紅のぷっくりとした唇、すんなり伸びた手足、陶器のように白い肌。  そして常時タち上がったままの……。  …………いいことしてたら、また来るかもしんないのか、アレ。  カネの種を食いたいだけ、みたいだけれど。  …………ちょっとだけ、善人方向で、頑張っちゃおうかな?  天罰くらうより、褒めてもらえりゃ嬉しいよな。あんな仕様の神さまになら。    深夜に一人、ベッドに転がりなぜかニヤニヤが止まらない。  そんな俺はどうやら、神さま様にちょっぴり導かれちゃった、愚かなる迷い子らしかった。
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