神さま様

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 こほん。  神さま様は、威厳を取り戻すかのように、咳ばらいをひとつした。 「この姿はお前が決めたものだからな。気に入って当然だ。まあ、好もしいと言われるのは、悪い気はせんが」 「俺が決めた?」 「そうだ。ワレは本来、実体を持たぬ。この地に来ることを決めたワレは昨夜、まずお前の脳にアクセスしたのだ」 「アクセス。って。考えを覗いた、ってこと?」 「そうだ。その時のお前の脳内を解析して出来上がったのが、この身体だ」  昨夜? こんなもん想像してたっけ?…… って! あ!   あれだ。  昨夜見てた、洋物のゲイAV。  ウケの子が、はかなげな金髪碧眼でチョー好みだったんだよな。  ……よく、似てる。  でも、洋物だからか身体がそれなりにゴツくって。  俺的にはもう少し華奢でお肌が白くてやわやわだったら、なおいいなあ~、とか、思ってた。気がする。 「このサイズ感も、俺好みの仕様ってこと?」 「いや、これはMAXだ。突然にワレと対すれば、常人はみな畏怖の念で動けなくなるからな。馴染みやすいよう、その者にとって好もしい身体で降臨することにしておる。お前はもっと大きな身体を欲していたが、形作るにはこの程度が限界だ」
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