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「……誰からですか! どんなワケで?」
「個人情報は秘匿されねばならぬ。理由を述べればそれも情報漏洩に相当しよう」
「……そんな、今ドキっぽい隠し方するなんて。どんな天罰か知らないけれど、あまりに一方的でしょう。罪が何かもわからなきゃ申し開きもできないし、わけわからずに天罰ショック、なんて」
ん? もしかして、俺、既に天罰を受領済み? んで死んじゃって、コレが見えてる、とか。
慌てて身体じゅうを確かめるようにパンパンと叩く。
「安心せよ。お前は、まだ、生きておる」
神さま様がおごそかに告げた。
まだ、って、強調したよな。ちょっとわざとらしく。
「確かに、判断が一方的になる恐れはある。よって、お前のもとに降臨したのだ」
「何のために?」
「お前を観察するためだ。本日はワレの存在を伏せながら、一日ずっと共にあった」
「……尾行、ってこと? 神さま様なのに? そんなんしないと分かんないもの?」
「細部に至っては地に足をつけた調査も必要なのだ。実際のところ、ためらいなくあの手袋を拾った身軽さには感心したぞ」
あ~、あれ、見てたのか。
「なるほど。それで、今日はよいことをしたな、とおっしゃったので」
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