キスして。伝えて。

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(……うそ)  拓はドキドキが止まらなかった。  確かめたかった彼の気持ちがそこにあった。キスの意味も、思っていたのと同じだった。 (どうしよう。すごい、嬉しい……)  感動に浸っていると、また淳一の声がした。 「ちなみに店舗移動の件、本当に、さらっとした『話』だから」 「……わかった」  不思議とそれはもう気にならない。彼の気持ちが確認できたからだろうか。 「……淳ちゃん」 「部屋に来るのとかはまだダメだけど……」  釘を刺すように言われる。 「キスは我慢しない。これでいいかな?」  拓は精一杯の余裕を持って返してみせた。 「……いいに決まってる。……俺も、好きなだけするし」 「よかった」  笑いあってからキスを仕掛けたタイミングは、二人同時だった。
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