絡め取る

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────  雪道用の蹄鉄が純白に穴を穿つ。  城の周辺の道は頻繁に雪が掻かれ整備されているが、今日も変わらず雪が舞っていた。  日によって雪の種類が違うのは、降らせる者の心境によっているのだろうかと、アダルウォルフは空を仰いだ。  今日は少し湿っぽい。  革手袋に落ちる雪は彼が子供の時から知る雪と変わらない。  結晶を拳の中に握り込めば、崩れて溶けて──染みていく。  将軍と騎士達は騎馬だが、アダルウォルフのみ、黄金で装飾された馬牽くソリの上にあった。  踝まである漆黒のコートに黒貂のファー付きのフードを目深に被っている。  艶やかな唇を左の指でなぞりながら、ブロンズ色の瞳を将軍ティオボルドの背に移した。  今朝、彼の背と尻に振り下ろした黒革の鞭をなぞる。  愛として振るった事はあったが、罰という名目で用いたのは今回が初めてだった。  理由は勝手にソリを用意した事、それと雪用のブーツではなく、ニーハイブーツが並べられていた事に対する苛立ちだった。    
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