あー、あの日の わいの冒険 1年生 その14 「【雪の日:前編】どろんこ雪だるま」

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 3人でかっちゃんの家に行ってみる。かっちゃんの家は学校の反対側。わいらのマンションと違って一軒家。だから、前行った時もちょっとドキドキ変な緊張したんや。  家の前で二階の窓を見てみるけど、かっちゃんがいるのかどうかは分からんかった。 「あ、みて!」  みかんが指差した庭の横の方を見ると、小さな雪だるまが置いてあった。 「かっちゃん、いるんちゃう?」  そう言いながらチャイムを押す。 「ピンポーン」  返事はなかった。  しばらくしてもう一度、チャイムを押すと、かっちゃんのお母さんが出て来てくれた。 「あのー、梶本くんいますか?」 「いまね。ちょっと……」  かっちゃんのお母さんの説明では、家にいるけど、今は休んでいるらしい。 「そうですか、じゃまた」 「あの……」  おばさんは何か言おうとして、空を見つめていた。わいたちも空を見上げると、また、雪がハラリと落ちてきた。舞うような軽い雪ではなかったけど。それでも頬にあたった雪はサッと溶けては消えた。 「ありがとうね。風邪ひかないようにね ……それじゃ」  そう言うと、かっちゃんのお母さんはそっと扉を閉めた。  何を言おうとしてたんやろ。  わいは、しばらく気になった。  二階の窓を見る。  かっちゃん出てこうへんかな?  雪、楽しいで…… 「なあ、ゆたやん、みかん。あのでっかい雪だるま、ここに持ってきてビックリさせてやらへん?」 「僕も思った!」 「私も私も。ねえ。あそこの雪だるまの隣に置こ」  みかんは庭にある小さな雪だるまを指差した。  3人で顔を見合わせる。 「よっしゃ! 雪だるま大作戦や!!」
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