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3人でかっちゃんの家に行ってみる。かっちゃんの家は学校の反対側。わいらのマンションと違って一軒家。だから、前行った時もちょっとドキドキ変な緊張したんや。
家の前で二階の窓を見てみるけど、かっちゃんがいるのかどうかは分からんかった。
「あ、みて!」
みかんが指差した庭の横の方を見ると、小さな雪だるまが置いてあった。
「かっちゃん、いるんちゃう?」
そう言いながらチャイムを押す。
「ピンポーン」
返事はなかった。
しばらくしてもう一度、チャイムを押すと、かっちゃんのお母さんが出て来てくれた。
「あのー、梶本くんいますか?」
「いまね。ちょっと……」
かっちゃんのお母さんの説明では、家にいるけど、今は休んでいるらしい。
「そうですか、じゃまた」
「あの……」
おばさんは何か言おうとして、空を見つめていた。わいたちも空を見上げると、また、雪がハラリと落ちてきた。舞うような軽い雪ではなかったけど。それでも頬にあたった雪はサッと溶けては消えた。
「ありがとうね。風邪ひかないようにね ……それじゃ」
そう言うと、かっちゃんのお母さんはそっと扉を閉めた。
何を言おうとしてたんやろ。
わいは、しばらく気になった。
二階の窓を見る。
かっちゃん出てこうへんかな?
雪、楽しいで……
「なあ、ゆたやん、みかん。あのでっかい雪だるま、ここに持ってきてビックリさせてやらへん?」
「僕も思った!」
「私も私も。ねえ。あそこの雪だるまの隣に置こ」
みかんは庭にある小さな雪だるまを指差した。
3人で顔を見合わせる。
「よっしゃ! 雪だるま大作戦や!!」
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