あー、あの日の わいの冒険 1年生 その14 「【雪の日:前編】どろんこ雪だるま」

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 家の前で雪玉の形を整える。  頭の部分をもう一度作ったり、いろんな所の雪をかき集めたり、いろいろ作業してたら汗かいて来た。アツッ!  そして出来上がった小さな雪だるまが3つ。  綺麗な雪が少なかったから、土の茶色い色がマダラに入る。  雪だるまは飼い主に似るというか、みかんの雪だるまが一番デカくてノッポやった。そして頭にかわいい耳が付いている。  ゆたやんの雪だるまは3段式や。「頭の上に頭がある」っていったら、「サッカーボールや」って怒られた。  わいの雪だるまは一番どろんこや。結構作るの難しかってん。へへへ。でも、にっこりちゃんの顔を描いたで。わらっとるわ。  泥だらけの雪だるまが3つ。  それぞれ、自分の雪だるまを抱えて「ピンポーン」ってチャイムを鳴らした。  「静かに庭に侵入して雪だるま置いてビックリさせよか」とも思ったけど、やっぱりちょっと気が引けたのと、物理的に雪だるま持って庭先の扉開けられへんかった。  あ、……雪だるま一回置けばよかったんか。(ʘ‿ʘʔ   ……まあ、しゃあない。  フッと上を見ると2階の窓にかっちゃんの姿が見えた。  そして、外までドタドタという足音が聞こえたかと思うと、次の瞬間、家のドアがバンッと開いて かっちゃんが飛び出して来た。 「ど、どないしたん? みんな」 「あ、やっぱりおった」 みかんが呟く。 「久しぶりー」 ゆたやんが挨拶した。 「へへ、わいらの作った雪だるまも、そこに置いてや」  わいは庭の端にある小さな雪だるまを見て言った。 「え、うん。ええよ」  かっちゃんが、庭先の小さな柵の扉を開けて中に入れてくれる。 「かっちゃん、戻って来てたん?」  そう言って、わいは雪だるまを慎重に下ろした。 「う、うん。ちょっとだけ」  同じ大きさの雪だるまが4つ並んだ。ちょうどええ感じや。もともとあった大きな雪だるまは壊れてしまったけど、結果オーライ。 「あら、なんか雪だるまが増えて賑やかになったわね。フフッ」  かっちゃんの後ろには、かっちゃんの母ちゃんがやって来ていた。  かっちゃんは母ちゃんに何か聞いていた。良くは聞こえなかったけど。 「いいの?」とかっちゃんの母ちゃんの声が聞こえる。 「……うん」  そう かっちゃんは母ちゃんに返事すると、こちらに振り替えった。 「入って」
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