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家の前で雪玉の形を整える。
頭の部分をもう一度作ったり、いろんな所の雪をかき集めたり、いろいろ作業してたら汗かいて来た。アツッ!
そして出来上がった小さな雪だるまが3つ。
綺麗な雪が少なかったから、土の茶色い色がマダラに入る。
雪だるまは飼い主に似るというか、みかんの雪だるまが一番デカくてノッポやった。そして頭にかわいい耳が付いている。
ゆたやんの雪だるまは3段式や。「頭の上に頭がある」っていったら、「サッカーボールや」って怒られた。
わいの雪だるまは一番どろんこや。結構作るの難しかってん。へへへ。でも、にっこりちゃんの顔を描いたで。わらっとるわ。
泥だらけの雪だるまが3つ。
それぞれ、自分の雪だるまを抱えて「ピンポーン」ってチャイムを鳴らした。
「静かに庭に侵入して雪だるま置いてビックリさせよか」とも思ったけど、やっぱりちょっと気が引けたのと、物理的に雪だるま持って庭先の扉開けられへんかった。
あ、……雪だるま一回置けばよかったんか。(ʘ‿ʘʔ
……まあ、しゃあない。
フッと上を見ると2階の窓にかっちゃんの姿が見えた。
そして、外までドタドタという足音が聞こえたかと思うと、次の瞬間、家のドアがバンッと開いて かっちゃんが飛び出して来た。
「ど、どないしたん? みんな」
「あ、やっぱりおった」 みかんが呟く。
「久しぶりー」 ゆたやんが挨拶した。
「へへ、わいらの作った雪だるまも、そこに置いてや」
わいは庭の端にある小さな雪だるまを見て言った。
「え、うん。ええよ」
かっちゃんが、庭先の小さな柵の扉を開けて中に入れてくれる。
「かっちゃん、戻って来てたん?」
そう言って、わいは雪だるまを慎重に下ろした。
「う、うん。ちょっとだけ」
同じ大きさの雪だるまが4つ並んだ。ちょうどええ感じや。もともとあった大きな雪だるまは壊れてしまったけど、結果オーライ。
「あら、なんか雪だるまが増えて賑やかになったわね。フフッ」
かっちゃんの後ろには、かっちゃんの母ちゃんがやって来ていた。
かっちゃんは母ちゃんに何か聞いていた。良くは聞こえなかったけど。
「いいの?」とかっちゃんの母ちゃんの声が聞こえる。
「……うん」
そう かっちゃんは母ちゃんに返事すると、こちらに振り替えった。
「入って」
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