1083人が本棚に入れています
本棚に追加
そうして、私の待ち続ける日々が始まった。
待ち続けるといっても、要するにそれは毎日実家の農家の仕事を手伝うことだった。
畑は洞爺湖へ上っていく丘陵の中腹にあった。昭和新山が見え、毎日河口から煙が上がっているのが見えていた。冬でも夏でも、多い少ないはあったが、毎日煙が立ち上っているのが見えていた。
まだ肌寒い季節ではあったが、田んぼの苗を育て始めたり、種芋などの準備をしたりする季節でもあった。そして私の当面の仕事は、畑に出て鍬をふるって畑を耕しておくことだった。
(続く)
最初のコメントを投稿しよう!