(二)

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 手紙は、郵便局の人が届けてくれたけど、それが実は中学の同級生であった。  それ気づいたのは、ある夏の土曜日で、畑仕事がお休みのときだった。 「ごめん下さーい」と玄関の方で声が聞こえたので、私が出た。  そしてその顔を見て、思わず「郡家(こおげ)君?」と声を上げてしまった。 「や、やあ」  郡家君はそう言うと帽子を目深に被り直して下を向いてしまった。 「なにかあったの?」 「こ、これを」  郡家君はそういうと、二通の手紙を差し出した。  私は「ありがとう」と言って受け取った。  彼は「じゃ」と言って振り返って出て行った。  私は手紙を見た。一通は農協からの封書だった。きっと商品販売代金について通知だろう。もう一通はおじいちゃん宛で、社会保険庁からの年金通知のはがきだった。  それにしても、郡家君が郵便局に就職していたとは、三年生のときに同じくクラスだったのに全然知らなかった。 (続く)
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