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手紙は、郵便局の人が届けてくれたけど、それが実は中学の同級生であった。
それ気づいたのは、ある夏の土曜日で、畑仕事がお休みのときだった。
「ごめん下さーい」と玄関の方で声が聞こえたので、私が出た。
そしてその顔を見て、思わず「郡家君?」と声を上げてしまった。
「や、やあ」
郡家君はそう言うと帽子を目深に被り直して下を向いてしまった。
「なにかあったの?」
「こ、これを」
郡家君はそういうと、二通の手紙を差し出した。
私は「ありがとう」と言って受け取った。
彼は「じゃ」と言って振り返って出て行った。
私は手紙を見た。一通は農協からの封書だった。きっと商品販売代金について通知だろう。もう一通はおじいちゃん宛で、社会保険庁からの年金通知のはがきだった。
それにしても、郡家君が郵便局に就職していたとは、三年生のときに同じくクラスだったのに全然知らなかった。
(続く)
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