(二)

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 その後、郡家君は、国英さんからの手紙を定期的に届けてくれた。  彼の手紙には、お盆と年末年始に長期休暇が与えられてこちらに戻る時間的余裕はあったらしいけど、こちらに戻ってくるのにお金がかかるので、向こうで過ごすと書いてあった。だからその期間に彼とは会うことができなかった。少し期待していたのに。全然会えないとなると、私も寂しかった。  そうして次の雪解けの季節が巡ってきた。再び郡家君が手紙を届けてくれた。  しかし届く郵便はおじいちゃんかお父さん宛で、私宛のものは来なかった。  前回届いたのは一月二六日だった。彼のはがきには「寒いから健康に気をつけろ」と書いてあった。  それから既に二ヶ月以上経っていた。 (続く)
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