(二)

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「彼からの手紙は来てない?」  五月の初頭に郡家君が来た際、そう尋ねた。 「高野からの? そういえば最近見てないね……」 「そう……。ごめんなさい、変なことを聞いて」 「高野って、中学のときに同じクラスだった高野国英のことだろう」 「そうよ」 「やっぱり、お前たち付き合っていたのか」 「うん、そうよ」 「いつから」 「三年の冬。クリスマスの前くらいから」 「そうか。元旦にお前と高野が一緒に歩いているところを見たって、クラスで話題になっていたよな。あのときはもう……」 「うん、そうよ」 「そうか……。それじゃ」 (続く)
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