猫島

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猫島

b1e37a14-7c57-4d39-9855-e4156d243b5b 南の海にぽっかりと 猫の島があるという 南の島の猫たちは 人の言葉を語るという ある晩漁師の少年は 舟に果物詰め込んで 月夜の海に漕ぎ出した 凪いだ海に漕ぎ出した 月夜にアボカド噛みながら 風に任せて進みます 陸の(あか)りは遠ざかり 酒場の声も遠ざかり 聞こえてくるのは波の音 家では5つの妹が 夢で笑っているでしょう 月夜にレモンをかじりつつ ゆらりゆらりと揺られます 星の降るよな海原で シャチのいななき聞きながら 静かに眠りに落ちるのです 夢の中で少年は 猫に秘密を聞きました この世の秘密を聞きました いく夜涙を流すでしょう 舟の果物底をつき 月夜に母の子守唄 消えゆく意識で聞きました 少年が目覚めることない眠りへと 静かに瞳を閉じた朝 舟は小島に着きました 白浜続く猫の島 猫は少年包み込み 丘の上に埋めました 朝焼け雲の切れ間から 一筋光が舞い降りて 猫は少し目を細め 一声小さくなきました 浜辺の舟には芽が生えて 果実の森となりました 毎夜猫たち集まって 月夜の下で丸くなり 遠くの潮騒聞くのです 星の降るよな砂浜の 静かな静かな物語
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