深夜三時半の微睡み

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自分がなにを欲しているのか 心がわからなくなる時がある 幸せを口に運んでは 肥えていく自分に失望する 何も見たくないと顔を伏しては 瞼の裏側に愛しいものを描きだす 知りたい情報を開いては 見るのも億劫だと目を瞑る 構わないでくれと拒絶しながら 誰か側に居てくれないかと願っている 自分がなにを欲しているのか 頭じゃわからない時がある そういうときは 起きて、眠る 微睡みからはっと目覚め リビングに潰された自分に気づいたら 起きて 立ち上がって 自分の足が冷たい床を踏みしめるのを確かに感じて 冷たい布団に潜り込み かなしい今日と愛しいいつかと 美しい明日を夢に見て 自分の熱が 自分の布団をあたためて そのうち自分にかえってくるから 熱で満たしたかったからだを忘れ 夢で充したかったおのれを忘れ 情報で充したかったあたまを忘れ 愛で充したかったこころを忘れ すべてを任せて目を瞑り もう寝よう
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