私の華麗なる日々

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私は人間の世界では"飼い猫"という立場らしい。 全くもって腹立たしい! 私が飼っているのだ! 下僕を飼い慣らせない猫は猫失格だ。 人間の話によく出てくる先代は、何と下僕の為に獲物を獲ってきたり、狩りの練習をさせたようだ。 何と優しい…聖母マリアだろうか? 「もしもし私です」 『コードネーム"S"よ、ミッションはこなしているのか?』 「もちろんです。毎日下僕は私にメロメロです。高級な食事も提供するように調教済みです」 『よろしい。近々監査官を派遣させて、その報告で与えるマタタビの量を決めるからな』 「は、はい!では失礼致します!」 ふぅ…緊張した。 私は猫の秘密結社"NNN"のエージェントなのだ。 この会社に定年退職はない。 終身雇用で、一生をかけてミッションを完遂する。 エージェントはエリートの証だ。 生後1ヶ月、早ければ生後半月くらいで会社がターゲットと決めた人間の家の付近に派遣される。 生後1ヶ月だと何とか目は見えるし、柔らかい物なら食べられるし、トイレも上手にできる…エリートだから。 エージェントの猫は、子猫の時から人間が作った猫用粉ミルクも普通に飲める。 好き嫌いがあるようではエージェントにはなれない。 ワガママはターゲットの家に派遣されてからすればいい。 人間は子猫の私達にはちやほやデレデレになるのだから。
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