おじいちゃん2

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昼近くに部屋の扉を叩く音が聞こえた。 「な~に?」 「昼飯買ってくるなぁ、牛丼で良かろ?」 「あ~、俺行こうか?」 「いやいや、午後美佐子さんの病院行くんやろ?支度しとけや。牛丼ならドライブスルーあるし、直ぐだからのぉ」 うわっ!爺ちゃんのチャリドライブスルーはマックだけじゃなかったんだ! てか!牛丼屋って淳がバイトしている所じゃん!今日バイトだって言ってた。どうか爺ちゃん余計な事を言いません様に…。 ほどなくして爺ちゃんがご機嫌で帰って来た。 「買って来たぞ~!いやいや行ったらな、ちと知ってる男の子が働いておって、サービスです!って紅生姜たんまり付けてくれたわ!」 この様子じゃばれてないな。てか紅生姜ってなんだよ!淳もしけてるなと思いながら爺ちゃんと向かい合って牛丼をたいらげた。 「じゃあ爺ちゃん、留守番頼むね」 「おう、まかしとけ!でな、これ美佐子さんに渡してくれんか」 爺ちゃんの手には昨日買って来た「ボケ防止対策」の本がある。 「これを母さんに?爺ちゃんのじゃないの?」 「いや、ワシのはある。でもよ昨日爺さん婆さん達の話しでボケ防止は早くからがええって言ってたから、美佐子さんにもと思ってな」 爺ちゃんボケてねぇじゃん! 「あっ!後な、賢人には気を付けて行け、危ないハエが出回ってるらしいぞ」 今度はインスタ映えの話しかよ……俺は本を持ち病院に行った。
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