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お爺さんの声がする。
「あれよのぉ、息子も結婚すると冷たくなるもんでよ、みんなそっぽを向きやがって、今ではワシを温かく迎えてくれるのは便座だけだわー」
お婆さんが応えている。
「そんな寂しい事いわんとぉー。ところで豆造さんとこの息子は今度いつ帰ってくる?たしか船乗りだったのぉ」
爺ちゃん
「しらん!あの鬼嫁が教えてくれん!わかっとるのは盆に婆さんが帰って来る事ぐらいじゃ!」
いやいや爺ちゃん。昨日母ちゃんが後1ヶ月で父ちゃん帰って来るって言ったじゃん。それにお盆はみんな仏様帰って来るし、婆ちゃんだけじゃねぇし。
別の爺さんの声。
「まだみんなの息子はええ方だわ!うちのなんメイドカフェって所に通いつめて嫁さんからの小遣いじゃ足りなくなったみたいでよ」
「「「おぉ…」」」
「それで金の無心の電話して来ての、頭に来たから『お前はオレオレ詐欺だな?うちには息子はおらん!』て電話切ってやったわ」
爺ちゃん
「それは得策やわ~!ところでメイドカフェとやらはあの冥土の事かい?」
「そう言われてみればそうよのぉ……豆造さんや、今度利子さんが盆に帰って来たら聞いておいてくれんか?そんな楽しいなら金とっとかなきゃいかん」
「「「そうだ!そうだ!」」」
俺達はあまりにぶっ飛んだ会話を聞きながら笑いを堪えポテトを摘まんでいた。
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