おじいちゃん2

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別の爺さんが話し出している。 「ワシも嫁には悩んでてよ、うちの料理は薄味での『こんな薄味じゃ新種ウィルスにかかってもわからん!』て言うてやったわ」 「「「それもそうじゃ」」」 お婆さんの声。 「新種といえばの、この前孫がよ、スマホとやらを見てとか言っててな、なんか新種のハエがおるらしいぞ、怖い世の中じゃのう」 コーラを飲んでいた友達が吹き出した。それが見えのか隣の爺さんのうちの1人が「大丈夫かぁ!」と声をかけて来てしまった。 「あらら」と他の爺さん婆さんの声がする。 俺は慌ててスマホを床に投げ 「あっ落ちちゃった」とテーブルの下に頭を入れた。爺ちゃんに見つかったら大変な事になる。 「だ大丈夫です、すみません」 友達が答えるとまた爺さん婆さんの話しが始まった。それを聞き俺は座り直した。 インスタ映え婆さんが 「あれ?もう2時半じゃ、目覚めて11時間経つのぉ」 他の爺さんも 「俺もそんなもんじゃよ、最近は目覚ましの前に座って鳴るのを待っちょる」 俺達は笑いを堪えるのがやっとだ。。 「でもな!」 急に爺さんのデカイ声、何やら怒っているみたいだ。 「どうした勘吉さん」 「ワシ、この前寝坊したんだわ、したら誰かが手首を掴んでな?そんで目を覚ましたらな!嫁が脈を取っていやがって」 「あら!死んだと思われたか?」 爺さん婆さんは笑っている。 「でな、なんじゃ!と言ったら次は玄関から声がするんよ『お迎えにまいりました!』ってな」 「はぁ?お迎えまで頼んでおったか」ひとりの婆さんが驚いている。 「デイサービスだったけどよ!」 「「「は、は、は」」」 みんなで笑った後、別の爺さんが 「でもあの『お迎えに来ました』も紛らわしいのぉ」 俺達は爺さん婆さんの話しが面白すぎて夢中になっていた。
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